X30とXZ-2の2機種、形、サイズや重さ、チルト液晶と高性能ズームレンズなど、類似して見える部分が多いが、コンセプトは全く違う。以下個人的な印象と思い込みをとりとめなく。
- XZ-2
コンデジをベースとしながら描写力に磨きをかけるコンセプト。高品質なレンズ設計、マクロ性能、マニュアル操作、その他チルト液晶やタッチパネルやカスタマイズ性など、あらゆるものをギュウギュウと詰め込んだ万能機。代償はやや大柄なボディと若干のハリボテ感。地味めの発色だが、それが好みに合えば2万円台前半でこの性能が買えるのは驚異的。
- X30
コンパクトなボディで、フィルムカメラから連綿と続く、光を写し取るという行為の継承を追究。ストイックさよりも温かな趣味性の方がややまさる印象。ストイックかつプロにも趣味にもと言うとGRに行き着くと思わないでもない。ただし、これはX30のデザインの主張がそう見せているだけで、領域によりプロも使いたくなるのだろう。クラシッククロームという新たなフィルムシミュレーションモードもそれを後押しする。
- 作例集 : X30 | FUJIFILM
落ち着いた色合いがなかなか魅力的で、これが似合うシーンもいろいろあるだろうな、と想像が膨らむ。
- FUJIFILM ニュースリリース
Classic chrome, PROVIA, Velvia, ASTIAで撮った麦畑が並んでいて、Classic chromeは渋いねーという印象がますます強まる。
- 「クラシッククローム」モード - Photo of the Day - の作例
愕然としたのがこの「青空と緑」の写真。こ、これはまるで...まるでXZ-2で撮ったかのような発色。カラーのフジフィルムが全世界のニーズに基づいて作り上げた発色だろうから、この発色に間違いはないはず。特定の領域にはこの発色が必要なのだろう。
- FUJIFILM X30(実写編)- 話題の“クラシッククローム”で試写
2014/9/29 追記: こちらで各フィルムシミュレーションの発色の比較ができる。青空が大きく写っているので分かりやすい。やっぱりクラシッククロームはXZ-2に似ている気がする。気がするだけか?
3つ目の作例の色には衝撃を受けたが、よくよく考えると、XZ-2はクラシッククローム的な落ち着いた発色「しかない」ことが問題だったのだと、今さらながら気がついた。私の住んでいる周辺では緑豊かな風景を撮ることが多いので、XZ-2の発色に我慢ならなかっただけなのだ。すっきりした緑と青空「でない」風景ならマッチしたに違いない。冒頭の「冬枯れの野にコスモス」のようなシーンにはよく似合うだろう。
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